晶文社を中心に編集者として時代の文化を牽引し、テント演劇の時代からコンピュータの世紀までを駆け抜けてきた津野海太郎の編集論アンソロジー、待望の第2弾。
伝説の編集者が約半世紀の間に綴った文章が、なぜ“現在“に響くのか。津野のテクストを集めた話題のアンソロジー『編集の提案』(2022)を経て、単行本未収録多数の本書は新機軸。鶴見俊輔的「まちがい主義」、テント演劇からインターネットまでをまたぐ「運動」、編集という仕事をめぐる自他への問いかけが、時代の暗雲を照らす。
動いている思想。たったいまポケットから取り出されたかのような津野さんの言葉は、どこまでも具体的かつ実践的だ。 だからこそ、時を超えて読む者の感性をひらくのだと思う
──伊藤亜紗(美学者)
【目次】
第1章 まちがいを重ねる
ニベもない/スタイルに凝る人/生涯「まちがい主義」の徒/マチガイ主義がわかりにくかった時代/「使用目的」という罠/ウィキペディアとマチガイ主義
第2章 実際主義と原則主義
男たちが知らない本/料理書の哲学/羽仁もと子と家計簿──私のこころの原風景
第3章 「別のやり方」を探す 勘弁してくれ。
ちょっとキワどいな/店頭の哲学/小さなモノの売り買いについて/移動劇場のための広告/この門を入るものは一切の商品性をすてよ
第4章 矛盾を矛盾のままに
編集者としての小野二郎/晶文社の小野二郎/チャイナ・メン史ひとこま/ブローティガン発見
第5章 本の終り・本のはじまり
大人のインターネット/少数派難民でも自由に本がだせる/編集者がつくりたい本をつくる/開放された書棚の人/PはプラトンのP──演劇ぎらいの演劇/レイ・ブラッドベリ再読/目次癖
あとがきにかわるインタビュー 津野海太郎×宮田文久
編者による後記
【書籍情報】
著者:津野海太郎
編者:宮田文久
装幀・デザイン:藤田裕美
表紙写真:小川真輝
定価:2,420円(税込)
発売日:2025/10/27(月)
発行:黒鳥社
販売代行:トランスビュー (ISBN 978-4-910801-04-9)