宮本常一は民主主義の理論家だ！──宇野重規（政治学者）
不世出の民俗学者・宮本常一の主著のひとつであり、今なお愛され読み継がれる『忘れられた日本人』。そこに描かれた日本人の姿を、ノスタルジアや復古主義に陥ることなく、グローバリズムとナショナリズムとが錯綜する21世紀の世界のなかにいかに価値づけ、その可能性をひらくことができるのか。デヴィッド・グレーバーや鶴見俊輔、ジョン・デューイなどを補助線に、編集者・若林恵が民俗学者・畑中章宏と「忘れられた日本人」と「民主主義」の新たな姿をさがす、寄り道だらけの対話篇。
『宮本常一：歴史は庶民がつくる』（畑中章宏[著]／講談社現代新書）と『実験の民主主義』（宇野重規[著]＋若林恵[聞き手]／中公新書）をつなぐ、必読の副読本！
■目次■
はじめに 若林恵
1. 翻訳 translation
2. 反作用 reaction
3. 寄合 consensus
4. 実施 practice
5. 経営体 enterprise
6. 海賊 pirates
7. 世間 worldly
8. 環世界 unwelt
9. 進歩 progress
10. 実験 experiment
11. 道具 tools
12. 伝承 lore
おわりに 畑中章宏
■書籍詳細■
書名：『忘れられた日本人』をひらく 宮本常一と「世間」のデモクラシー』
著者：若林恵・畑中章宏
造本・デザイン：藤田裕美
発行日：2023年12月5日（火）
発行：黒鳥社
判型：新書判／208頁
定価：1,600円＋税
ISBN：978-4-9911260-9-3
Photos by Hiroyuki Takenouchi