「詩のことば」に宿るもの
言葉という情報伝達手段でありながら、普段わたしたちが使うそれとは異なるかたちで世界の様相を立ち上げる「詩のことば」。情報過多社会において文化さえも消費の対象とされるいま、詩を読むこと、詩を書くこと、そして詩の言葉にこそ宿るものとはいったい何なのか。韓国現代詩シーンの第一人者であり、セウォル号事件の被害者に寄り添ってきたチン・ウニョンへのインタビュー、映画監督・佐々木美佳による詩聖・タゴールが愛したベンガルでの滞在記、詩人・大崎清夏によるハンセン病療養所の詩人たちをめぐる随筆と新作詩、そして哲学者・古田徹也が語るウィトゲンシュタインの言語論と言葉の理解など、わたしたちの世界を一変させる可能性を秘めた「詩のことば」について、詩人、哲学者、民俗学者、建築家などのさまざまな視点から解き明かす。(発行:コクヨ 発売:学芸出版社 制作協力:黒鳥社)
■目次■
◉巻頭言
詩を失った世界に希望はやってこない
文=山下正太郎(WORKSIGHT編集長)
◉花も星も、沈みゆく船も、人ひとりの苦痛も
韓国詩壇の第一人者、チン・ウニョンが語る「詩の力」
◉ソウル、詩の生態系の現場より
ユ・ヒギョンによる韓国現代詩ガイド
◉そこがことばの国だから
韓国カルチャーはなぜ詩が好きなのか
語り手=原田里美
◉ベンガルに降る雨、土地の歌
佐々木美佳 詩聖タゴールをめぐるスケッチ
◉「言葉」という言葉も
大崎清夏 詩と随筆
◉ふたつの生活詩
石垣りんと吉岡実のことば
文=畑中章宏
◉紙の詩学
建築家・詩人、浅野言朗から見た詩集
◉詩人は翻訳する・編集する・読解する
ことばと世界を探究する77冊
◉しっくりくることばを探して
古田徹也との対話・ウィトゲンシュタインと詩の理解
■書籍詳細■
書名:『WORKSIGHT[ワークサイト]21号 詩のことば Words of Poetry』
編集:WORKSIGHT編集部(ヨコク研究所+黒鳥社)
アートディレクション:藤田裕美
発行日:2023年10月20日(金)
発行:コクヨ
発売:学芸出版社
判型:A5変型/128頁
定価:1800円+税
ISBN:978-4-7615-0928-6
Photos by Hiroyuki Takenouchi